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システム業界は変われるか 1/2

2010年02月11日   舩木俊介

    

実は、経済危機といわれているなかで、アメリカのIT業界は好業績を示しています。アップル、IBM、マイクロソフトなどが売上高や利益額が上昇している一方で、なぜ日本のITシステム業界は暗澹としているのかと思いますが、昨年頃から日本のシステム業界は否応無しに変わりつつあります。いい方向へ変わる企業もあれば、そうでない企業もあるとは思いますが、変わることを迫られている中でどのように変わるべきでしょうか。



ここ数年で定着しつつあるクラウドサービスは、現状のような単なるASPの延長ではなく、今後はWeb系主要機能のサービス化が広がっていきます。つまり、従来は技術者が細かい部分まで手間とコストをかけて開発していたものを、GoogleやAmazon、Azureその他が提供する機能へ接続するだけで使える、将来はソースコードを書かないシステム開発が増えていくわけです。もちろん、クラウド化できるのは汎用性の高い機能がメインで、複雑な業務に合わせた部分はやはり開発することになりますが。


クラウドのインパクトとは、日本全体で見たシステム開発に必要な技術者数が減ることを意味します。しかし、むしろこういった新しい技術や変化といったものは喜ばしいことです。技術者、システムコンサルタントやプログラマは、今までよりも顧客の業務改善に注力できるわけですから。


マクロ的な環境変化は過去にもさまざま繰り返し起こっていることですから、それほど大きな問題ではありません。いま考えるべき問題は、システム業界の構造そのものにあります。


まず全ての背景にあるのはつい先頃まで「売り手市場」だったという驚異的事実です。システム以外の業種の方から見れば驚くべきことだと思いますが、「仕事のオファーがありすぎて受けられない」ことが多々あるほど、この業界は売り手市場でした。それも10年以上。


失われた10年ではなく、奇跡の10年。いや20年かもしれません。この奇跡の20年のなかで、多重下請け構造や技術者派遣というIT企業?も生まれました。システム会社といっても大半はこの下請けです。


そして、世界的不況によって需給バランスがくずれ、当然のことながら供給過剰が起こるわけです。特に、下請け企業や派遣企業の技術者は、仕様に沿ったプログラムを書くことだけが仕事です。なんらかの専門的なノウハウを求められているわけではないので、代替可能な要員、言ってみれば「プログラミング作業」のための人員です。となると、伸びしろがあまりない。需要減少の際に、顧客を増やしたり、新しい自社サービスを生み出すといったことが難い。こういったプログラマは事前に設計されたものがなければ仕事ができないということになりますが、そもそもこれはおかしいと言わざるをえません。そこまで細分化した範囲の業務であれば、遅かれ早かれインドや中国の賃金の低い技術者に取って代わられるでしょう。「プログラミング作業」のシステム会社というのは、あくまでも売り手市場を前提として成り立っていたわけです。


弊社は創業以来このような下請けを一切行わず、大手メーカーやエンドユーザといった層のお客様に特化しているので、システムの目的を常に意識して開発しています。どんなシステムにも、そのシステムを使う人が得る価値が存在します。その価値こそがシステムの存在意義であり、価値をさらに多く生み出そうという技術者こそがこれからは生き残るのだと思っています。

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東京オフィス代表
舩木俊介

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