ビジネスとライフスタイルを向上させるテクノロジーポータル

HOME > > システム業界は変われるか 2/2

システム業界は変われるか 2/2

2010年02月12日   舩木俊介

    

システムといってもある目的を実現する手段に過ぎないので、目的に対する理解が不可欠です。業務システムであれば顧客業務をよく知るべきであり、一般アプリケーションであれば世間の人々が何を期待しているのかを知らなければ、目的を満たすことはできません。



楽器が弾けることと、いい曲を作れること。文字が書けることと、いい小説が書けること。この違いのようなもので、システムによってどんな価値を外部に提供できるかが問われているわけです。文字をうまく書けるだけでは価値にならないのと同様に、技術単独では価値がありません。


「技術は道具です。」この自明の理が、いつの間にか忘れ去られてしまいました。


これから成長していくのは、技術を使って製品を生み出すシステム会社、技術の専門サービスで業務改善を直接行うシステム会社、他社にはないノウハウを持っているシステム会社などでしょう。つまり、今後はコーディング作業よりも、「頭」を使うことが全てのシステム業界の主な業務と利益になっていきます。そのための強力な道具が開発力です。逆に、頭を使えないのであればこれはもう退場するしかありません。高収益をあげる企業はいずれも共通して、新しい価値を提供している企業だということからも分かります。


日本のIT業界の問題点である下請け構造というのはゆるやかな「垂直統合」とみることもできます。しかし、環境変化の激しい時代に適したものは「水平分業」です。独立した各社が特色を生かして、一つのサービスや一つの市場でテンポラリーなパートナーシップを組む。この話は、ソニーの垂直統合に対して、アップルiPodの水平分業ということで話題になりましたが、日本のシステム業界でも水平分業が増えていくべきだと思います。


市場の拡大期は競争によって質を高めることが大切ですが、いまのような、あらゆる産業で市場が停滞しているときの基本戦略は協力です。単独で市場に打って出ることが難しければ、特色を組み合わせて協力しあえればいい。何よりも、現状と違う収益構造で全体のパイを広げることが大切です。


これからの日本経済は間違いなく縮小均衡へ向かいます。今の半分の経済規模まで落ち込むという人もいますが、それは大げさだとしても、人口減少と高齢化はあらゆる経済活動にとってマイナス要因です。税収も落ち込むため、国債という借金でまかなわれている社会保障もどこまで続けられるか分かりません。まさに日本全体が危うい環境に置かれています。


新しい価値を生み出し、マイクロソフト、アップル、Googleやアマゾンなどアメリカ企業が日本に進出するように、逆の流れも作っていかなければ日本経済は持ちこたえられません。それが可能な業界だと思いますし、日本にはそのための技術フロンティアを前進させる人材も豊富にいると思っています。

writer's profile

東京オフィス代表
舩木俊介

ご意見・ご感想・お問い合わせはこちらまでお送り下さい。
経営革新を実現するシステム開発
iPhoneアプリケーション開発