SECSとは

エンジニアの山本です 今日はSECSについて書こうと思います。 SECSとはSEMI Equipment Co…

エンジニアの山本です

今日はSECSについて書こうと思います。

SECSとはSEMI Equipment Communications Standardの略で、SEMIが定めたスタンダード(定義)の一つ、半導体製造業界で使用する通信プロトコルのことです。
半導体製造業界と言うと少し堅苦しい感じがするので、ものすごく簡単に言いますとパソコンやスマホのICチップや液晶テレビのパネルのを作る業界と考えてもらえればわかりやすいと思います。
なお、半導体の製造(以下、ウェハープロセス)についてはこのリンクを参照して頂ければ概要はつかめると思います。

SECSはその半導体製造装置と外部から通信するために使用します。
例えば、ウェハーを装置の定位置に置いて、
「このウェハーをこの条件で処理してね」
のようなSECS電文を装置に送ると装置は自動的にその条件で処理してくれます。
「でも、そんなの手作業でもできそうじゃない?」
と思う方もいらっしゃると思いますが「この条件」と言うのがとても厄介なのです。

ウェハープロセスにおけるの製造条件というのはとても多岐にわたります。
必要とする薬品、気温、湿度、気圧、電圧などにもよって製造条件が異なり、ナノメートル単位でのパラメータの調整が必要となる場合もあります。
それらの製造条件を間違えて設定してしまうと数百万~数千万円もするウェハーが没になったり、場合によっては数億~数十億円もする装置が壊れてしまう可能性もあります。
それを未然に防ぐためには、アプリケーションによる最適な製造条件の算出と設定が不可欠なのです。

アプリケーションは、蓄積された製造データや環境値から製造に最適な条件を算出します。
その条件を装置に設定するのがSECSです。
また、算出するための製造データを装置より取得するのもSECSです。

SECSは半導体製造装置とTCP/IPもしくはRS232Cのシリアル接続で通信します。
実際の電文はHEXでとても読みにくいのですが、展開するとStream Functionと言う電文形態になっています。
簡単に説明するとこんな感じです。

上図のようにアプリケーションがS1F1を装置に投げると、装置はS1F2を返答します。
このように対となる電文をそれぞれが送受信することで装置とアプリケーションは互いを認識し通信します。

アプリケーションが装置にパラメータを送る際にはS2F41電文を送ります。

S2F41に付加されて送られるパラメータが装置の製造条件に適しているものであれば、装置はS2F42でS2F41の受信応答を返します。

また、装置が起点となる通信もあります。

S6F11は装置において何かしらのイベントが発生した場合に装置より送られます。
指定された処理が終了された場合には、処理終了のイベントに付加されて製造データがアプリケーションに送られてきます。

上記のようなStream Funcitonを用いてSECSは装置とアプリケーション間を通信します。
Stream Functionには多くの種類があり、それぞれに意味があります。
ただ、ここでは全てのStream Functionについては明記しきれないので割愛させていただきます。
細かい事を言うと、例外的な通信処理もあり上記の電文でも記載通りに動作しない場合もあります。

以上、簡潔にSECSについて書かせていただきました。
今後、半導体製造業界に関わることはあまりないかも知れませんが、
「こういうのもあるんだなぁ」
レベルで知っといてもらえれば幸いです。